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今回は、振り込め詐欺の犯人はどんな人なんだろうと疑問に思い調査をしました。私自身は振り込め詐欺犯に会ったことはありませんが、NHKスペシャルの取材班が120日かけて取材した内容が書籍化されています。
『職業振り込め詐欺』というタイトルなので気になる方は近くの図書館か本屋さんで買い求めてください。非常に参考になる資料でした。
また、私のカードローン会社勤務の経験と実体験も加味して、振り込め詐欺の犯人は何も考えていない普通の若者なんだと結論づけました。
振り込め詐欺の基本的な情報と、どのような手口で高齢者を騙すのか、また、犯人はどのような人物なのかを探っていきたいと思います。多くの方に振り込め詐欺の知識を身につけてもらって、事前に防げることを切に願っています。
振り込め詐欺は電話1本あればできる特殊な詐欺
世の中には多くの詐欺が存在します。結婚詐欺、投資案件詐欺、商材詐欺、保証金詐欺、助成金詐欺、振り込め詐欺。唯一、振り込め詐欺だけは非対面で行う詐欺のため、犯人の顔を一度も見ることはありません。
だまされた人は、結局誰にだまされたのかわからないまま被害に遭っているのが振り込め詐欺の怖いところです。被害に気付いたときにはすでに犯人は消えているので、警察に被害届を出すのが精いっぱいで、被害額の請求もできなければ、裁判を起こすこともできないのです。
被害者からすれば、被害に遭ったとわかった瞬間に犯人が消えているので嵐のような犯行で、犯人側からしたら、顔を出す必要もなく、電話1本あれば行える詐欺なのでお手頃な
振り込め詐欺の犯人はどんな人間?
振り込め詐欺は元々、暴力団関係者が始めた詐欺です。それが枝葉のようにグループが分かれ現在では、バイト感覚で振り込め詐欺をしていた若者が自分でグループを作って詐欺行為をしているのです。2019年に警察庁が発表した資料で検挙率の資料がありました。
- 暴力団構成員18.2%
- 少年25.6%
- 外国人4.7%
- その他48.5%
資料では出し子や受け子の割合も出ていて数字が100%に全く届いていない状況ですが、暴力団関係者か少年、(多分ついで20代の学生等)になっているはずです。
非常に迷惑な話ですが振り込め詐欺の運営組織は暴力団グループと若者グループに分かれています。しかも、NHKが取材した犯人像は『いたってどこにでもいる若者で、本人は悪びれる様子もなく、だまされる方が悪いと言う始末である』ということでした。
振り込め詐欺犯は人をだましている罪悪感はないものの、犯罪を犯している意識はあるようで、数カ月で稼ぎ切って逃げる人が多いようです。ちなみに本人の取り分は1~2年の犯罪で1億~3億円になることもあるようです。
しかも、足を洗った後に普通に会社を興しているというのが許せません。人としてどうよ?と思いませんか?
振り込め詐欺に必要な犯罪ツール
さきほど、電話1本あれば犯行に及べるのが振り込め詐欺と説明しましたが、実際には犯罪の道具が必要です。
- 使い捨ての携帯電話
- 使い捨ての銀行口座
- 顧客名簿
- 電話転送サービス
- ウィークリーマンション契約用のニセ運転免許証
使い捨てというと言い方が悪いですが、他人名義で契約されたもので、携帯電話であれば契約から1カ月は使い放題。結局料金は支払わないため、1カ月で利用停止になります。
どれも、暴力団が得意な道具です。使い捨てツールは闇業者がいて山谷などのホームレスから名義を買い取った業者が、ホームレス名義で運転免許証を偽造して、携帯電話を購入して、銀行口座を作って販売しているようです。山谷のホームレスには数万円のお金を払っているようです。
闇業者は犯罪ツールを買ってくれる人がいるなら誰にでも販売しているようです。彼らの顧客は暴力団や振り込め詐欺集団、闇金など多岐にわたります。
このような、使い捨てツールは2000年頃にすでに存在していました。現状では銀行や携帯電話会社の対応が追いついていないのが実情のようです。
名簿屋という裏稼業もいる
【出典:闇金ウシジマくん】
振り込め詐欺は名簿から電話をかけていきます。名簿は大学、高校の卒業アルバムから抜かれたもの、企業の退職者名簿、消費者金融利用者リスト、アダルトサイト利用者名簿などで、国会図書館で閲覧できるものもあれば、消費者金融利用者名簿は退職者がデータを抜いたものが流通したり、闇金も暴力団絡みのところが多いので名簿を共有したりしているようです。
アダルトサイトの架空請求もアンダーグラウンドが運営しているので名簿は集まりやすいのでしょう。暴力団は表立って商売できないのでなりふり構わずしのぎを探しています。
ちなみに名簿の単価は1件あたり10~15円前後が相場のようです。あなたの個人情報も何かしらが原因で流通してしまっている可能性があります。
振り込め詐欺の犯行拠点はどこ?
【出典:ANNニュース】
振り込め詐欺は非対面で行える詐欺です。電話や銀行口座など、一見入手が難しいように思える他人名義の道具も業者さえわかれば誰でも簡単に始められる詐欺です。人をだます手口も演技と電話の数だけなのでテレアポのアルバイト感覚なのかもしれません。
彼らが犯行拠点を構えるときに考えることは、すぐに撤収できるかどうかです。2019年に警察庁が開示した資料を確認してみましょう。
【出典:警察庁 特殊詐欺認知・検挙状況等について(確定値版)】
賃貸マンションが多い一方、キャンピングカーの摘発などが目立ってきました。これ以外には外国を拠点にしているケースです。海外からのアクセスだとIPアドレスと言われるネット上の電話番号のようなものを混在させることが可能だったり、海外の場合、犯人の引き渡しに応じてくれない国があったりもします。
このあたりを狙っているのかわかりませんが、捜査を攪乱するために犯行拠点を転々としているのも彼らの特徴の1つです。
振り込め詐欺の手口 アポ電
NHKが取材した振り込め詐欺犯の話では、20人に電話をかけて1人だませれば良い方だそうです。しかも、いきなり振り込ませるのではなく、アポ電という事前準備から始めるパターンが多いよう。
アポ電とは、電話で話してみて、だませそうか無理そうなのかチェックするための電話で、好感触の場合は相手側から(高齢者側から)20分近くも話し込んでくるケースもあるようです。
この時点で全く疑っていないようなら本題に入るようです。
振り込め詐欺が使う話のネタ
- 未成年の妊娠
- 会社のカネの使い込み
- 投資の穴埋め
- 時事ネタ
時事ネタだとマスク転売詐欺や株価が下落したこともネタとして利用できるでしょう。『会社のカネを使ってしまってバレたらクビ!助けて!』とか。
コロナ禍のこともネタになりますし、持続化給付金もネタとして利用できます。
あえて、電話口の本人に『誰にも言わないで欲しいんだけど・・・』と切り出し口止めを計ります。
犯人はすでにアポ電で情報を聞き出しています。未成年の孫がいるのか、息子は社会人なのか、結婚しているのか、独身なのか、どんな会社で働いているのか、ある程度の情報を元にゆすってきます。
親は息子の名誉に関わることで、自分が協力できることは助けたいと思うものです。振り込め詐欺犯は言葉巧みに電話口の向こうで演技をして、人の情を利用してカネをだまし取ります。
犯人グループは朝から晩まで詐欺電話をしている百戦錬磨の詐欺集団です。どのような言い回しならだませるかとか、判断を先送りさせないことで冷静な判断をさせないようにします。
お金が絡む話は電話を置いて身近な誰かに相談しましょう。詐欺師は『こんな恥ずかしいこと人に知られたくないから誰にも内緒にしておいて』と必ずクギを刺してきているはずです。
振り込め詐欺の犯人は普通の人
振り込め詐欺の犯人は、ザ暴力団という人もいますが、多くが普通の若者です。なぜ彼らはマジメに働こうとはせず、詐欺に手を染めるのでしょうか?
逮捕されれば、その事実は一生付きまといます。振り込め詐欺のような悪質な詐欺で執行猶予がつくことはなく、一発で実刑になることでしょう。
犯人にも親がいるはずで、親も罪の重さに一生悩み続けるでしょうし、被害者にお金を返すために仕事を辞めて退職金を全額当てたり、自宅を売却したりするはずです。
簡単に犯罪に手を染める若者は、このような想像力が欠如していることが原因ではないでしょうか?
NHKが取材した振り込め詐欺犯たちは、逮捕される方がバカ、自分は捕まらないようにしているとか、一定期間稼いだら引退して、表社会で会社を興すということを平気でしゃべっていました。
そして、自分のしていることが犯罪と知っていながらも、罪の意識はないということでした。振り込め詐欺で稼いだカネは夜の街で散財したり、高級車を購入したりと様々です。
もし、あなたのそばで急に羽振りがよくなった人がいたら近づかないことをおすすめします。
犯罪で収益を得ている人は、何をしているのか明確に説明しません。
受け子はネットなどで募集 犯人にはたどりつかない
振り込め詐欺犯で、一番危険なのは受け子と呼ばれる現金をATMから引き出す役です。一番逮捕される可能性が高い役割でしょう。
実は受け子はネット上でバイトとして募集しているようで犯人までたどり着かないケースが多いらしいのです。1回の引き出しで1万円ほどの報酬を得られるようですが、警察に逮捕されれば上記のように全国ネットで氏名と顔が報道されます。
ちなみに受け子も犯罪に加担していることは理解しているようですが、バイトをしないとホームレスになってしまうとか、闇金の利用者が強制的にやらされるケース、高額の報酬につられてやってしまう人が多いようです。
いわゆる働いても豊かになれないワーキングプア層が加担しているのですが、働いても犯罪を犯さないと生活できない給料体系にも問題はありそうです。
詐欺の上に成り立っている報酬に価値はありません。必ず因果応報はあるので犯罪を手伝った分、必ず報いを受けることになるでしょう。
下記の記事でも解説していますが、闇金からお金を借りてしまって、借金のカタに振り込め詐欺の受け子を強制的にやらされている実態もあるようです。
無理やり手伝わされても一発で実刑になる案件です。安易な借り入れで一生を台無しにしてはもったいないのです。
【関連記事】闇金でお金を借りて人生終わった!末路は犯罪者になるって本当?
がんばれ警察!逮捕率は増加の傾向
【東京都葛飾区のストップ!振り込め詐欺!啓発ポスター】
検挙件数と検挙人数は右肩上がりです。高齢者に振り込め詐欺の実態を周知できはじめたことや、関係行政機関や事業者と連携しつつ特殊詐欺の撲滅に力を入れていることが理由のようです。
悪質な詐欺事件の犯人の刑罰を重くすればいいのにと私は考えます。
なぜ若者は振り込め詐欺に手を染めるのか?
日本人の集団心理が若者を犯罪に結びつけているのかもしれません。詐欺行為と悪いこととわかっていながら、①知り合いがやっていて稼いでいる、②億単位でカネが稼げる、③マジメに働くなんてバカらしい。
高学歴の学生に多いパターンとして『自分は優秀』と思っている人も多く、捕まるやつはバカ、自分は捕まらないと勘違いしている学生を犯罪に駆り立てるのではないかと考えられます。
振り込め詐欺で得た利益は、どこかの誰かがマジメに働いて貯めた大切なお金です。人の情を利用し、そのお金を詐欺で奪って豪遊するなど許されることではありませんし、人として卑劣な行為です。
悪い事には強い罰を与えて反省してもらいたいものです。
許せない?逃げ切った詐欺犯人たち
過去に特殊詐欺をやりながらも、いつまでも続けられないと考えタイミングよく引いて、詐欺で得た資金でビジネスをはじめてうまくやっている輩もいます。
①投資売買のアルゴリズムのツールを使った自動売買②風俗店(デリバリーヘルス)③飲食店④ネット関連の事業などが多いですが、一握りの若者は逃げ切っています。
同じような事例は1985年頃にもありました。
豊田商事事件をご存じでしょうか?高齢者にゴールドの購入を促し(実際はゴールドの購入はしていない)当時の金額で2000億円以上の詐欺を行っています。
会長は生放送中に殺害されるという日本を震撼させた事件ですが、このときの幹部は逮捕されませんでした。(事情聴取はあったのかもしれませんが)
豊田商事の元幹部が自分の経歴を隠し書籍を出版したり、全国的に有名な飲食店を経営したことも有名な事件です。
最終的に元豊田商事の幹部だったことが世間に公表され、その飲食店は身売りする形で終了しましたが、どんな顔をして普通の仕事をしていたんだろうと考えると吐き気がします。
自分の家族が詐欺に騙されてしまった人はこのような事は許せませんよね。そうならないように過去に起きた事件を理解して騙されないようにするのが一番の防衛策だと私は考えます。
会社名 | 最大限度額 | 金利 | 審査時間 | |
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500万円 | 4.5%~17.8% | 最短3分※ | ||
800万円 | 3.0%~18.0% | 10秒簡易審査 | ||
800万円 | 3.0%~18.0% | 最短20分 | ||
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