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日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、2018年から過去5年間で奨学金が原因で自己破産する「奨学金破産」は15,000人にのぼります。
日本学生支援機構の説明では、自己破産に至る直接的な理由が、必ずしも奨学金返還であるかは把握できてはいないものの、奨学金返済中の破産者の割合は法務省が発表している自己破産比率は同等と発表しています。
問題なのは『資金使途が学費』という点と『奨学金が返済できなくなると、連帯保証人である親や親戚も一緒に自己破産してしまうケースも多い』という点です。
これは近年の学費の高騰に対して就職後の賃金が低い事が原因です。
一度家計の収支が悪化し返済が滞ったり、足りない生活費をカードローンなどで補っている間に、遅延損害金が膨れ上がり、気付いた時には手に負えないことになっている場合もあります。
奨学金の返済が難しいと感じた時は早めに対策を考えなければなりません。今回は返済が苦しい場合に考えるべきことを確認していきます。
私も取引先や知り合いで奨学金の返済を続けている人がかなりいます。この記事を書くに当たってインタビューした内容も盛り込んでいます。
JASSOの奨学金は貸与型!無利息と有利息の2タイプある
優秀な学生が、経済的な理由で大学に通えない、学べないことは国家にとって大損害です。
勉強したい人がしっかり勉強して夢を追い続けられる国になることは日本によって良いことです。
日本学生機構(JASSO)は貸与型の奨学金制度を設けています。就学中に返済する義務はなく『就職して、安定した収入を得られるようになってから返済してください』と制度自体に問題はないように思われます。
奨学金には種類があり、成績が良ければ無利息で奨学金を借りられますし、一般学生も低金利(最大で3%)で奨学金を借りられます。
ちなみにJASSOは奨学金の利率を月単位で毎月公表していますが、月利0.153%くらいと発表しています。
【日本学生機構:奨学生、平成19年以降に採用された方の利率】
社会に必要な奨学金は場合によっては無利息、高くても金利は年3%以内なのに返済不能になってしまう奨学生が多くなってしまう理由はどこにあるのでしょうか?
大学院を卒業した瞬間に借金が1,000万円という現実!
たまたま、私の周りでも大学院を卒業して現在も奨学金を返済している友人が2人います。
2人に共通していることは、借り入れ金額が1,000万円を超えていて、毎月の返済金額は5万円以上、20年以上返済を続けていくということです。
そもそも、大学院まで出ている人なので根がマジメです。奨学金を返済するために生活を切り詰めている話や、奨学金を返済するために借金をしている人もいます。
大学院を出ても給料が飛躍的に高い企業に勤められるとは限りません。
平均的な大学卒業の学生の初任給が税込みで20万円と想定して、所得税や住民税、社会保障費(年金、健康保険)などを引いて-5万円、奨学金の返済が5万円だと、残り10万円で生活していく必要があるのです。
実家で生活できていれば給料の範囲内で生活できるかもしれませんが、学生の多くが都内近郊、都市周辺に住んでいるとは限りません。居住費、食事を給料から捻出すると、社会に出た瞬間にオーバーローンになっている可能性もあるのです。
また、奨学金は本人だけの問題ではなく、両親が連帯保証人になっていることも多いです。
そもそも、奨学金を借りることを承諾しているので経済的に余裕があるとも考えにくいのです。
奨学金が返済できないと『両親や親せきに迷惑をかけてしまうかもしれない』というプレッシャーとの戦いでもあるのです。
奨学金と連帯保証人の問題
奨学金学生の多くが、両親や親せきに連帯保証人になってもらっていることも社会問題になっています。
金銭消費貸借のため、JASSOの債権保全のためと考えれば自然のことですが、実は奨学金には保証会社を利用する方法もあるものの、あまり利用されていません。
保証会社が利用されない理由は、毎月数千円の保証料を払い続ける必要があるからです。
ただでさえ学費が足りず奨学金を利用しているのに、返済金額が増えてしまうなら両親に連帯保証人になってもらおうと考えるのが自然でしょう。
親世代の感覚は、大学を出れば『よっぽどのことがなければ食いっぱぐれることはないだろう』と思いがちで、『大学を出て、まじめに働ければ返済できるはず!』という先入観がありますが、現代社会はそんなに甘くはありません。
減額方式1:奨学金の毎月の返済額を減額返還方式で緩和する
減額返還制度とは奨学金の返済を免除するわけではなく、毎月の返済額を半分に減らすことで、奨学金を借りている人の経済的負担を軽減する制度です。
一回の申請につき1年間適用され、最大10回(10年間)利用する事ができます。月の返済額は減りますが、トータルの支払い金額は変わらないのでトクをするわけではありません。
また、返済期間延長されてもも利息は増える事はありませんので、その部分は安心できると言えます。
また、2017年から新しい返還方式が開始されました。第一種奨学金採用者(経済的に修学困難だが成績が特に優秀な方)は、定額返還方式と所得連動返還方式のいずれかの返還方法を選択する事が可能になりました。
「定額返還方式」は貸与の総額から月々の返還額が設定され、支払いが終わるまで毎月定額の返済を続ける方式です。
「所得連動返還方式」、前年の収入から翌年の毎月の返済額が設定されます。
税金の支払いのように収入に応じて毎年の返済額が変わるので、返済の期間は決まっているわけではなく、支払いが終わるまで定まりません。
毎年少しずつでも収入が増える企業に勤めているなら、定額返還方式にすると初めはキツいものの、後々の返済が楽になってきます。一方、所得連動返還方式は収入に応じて返済金額が毎年変わるので、オーバーローンになる可能性が低くなると考えられます。
どちらの返還方式も元金を免除する制度ではありませんが、無理のない返済方法に変更するだけで、家計が圧迫する可能性が低くなります。
減額方式2:一定期間返済を待ってもらえる返還期限猶予
経済的困窮、被災、怪我や病気、失業などにより返済が難しい状況に陥ってしまった場合は返済を猶予してくれる制度があります。
返還期限猶予を申し出る場合は、返済が滞ってからではなく、その前に手続きをしてください。
災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、返還期限の猶予を願い出ることができます。
そのような状態になった場合は、延滞する前にすみやかに手続きを行う必要があります。
返還猶予の理由によりますが、基本的に年に1回ごとのに申請をすることになります。
年金の免除申請に似ています。
病気や怪我、生活保護受給者の場合は毎年申請さえすれば、猶予取得の年数に制限はありません。
災害の場合は5年が限度で、失業、経済的困窮、海外移住などは10年が限度です。
返還猶予の理由によって年収制限なども設けられているので、ご自身の当てはまる項目を確認してください。
【参考:日本学生支援機構 返還期限猶予 一般猶予】
減額方式3:身体、精神障害により返済が困難な場合は返済免除を検討する
以下2点いずれかに当てはまり、返済免除の申請が受理された場合は未返済分の奨学金の一部、または全部が免除されます。
- 本人が死亡し返済ができない場合
- 就労が困難なほどの重大な病気や怪我、または精神障害を抱えてしまい、返済が困難な場合
以上のような状況に陥ってしまった場合は一度、日本学生支援機構に相談してください。
申請が受理されない場合は、免除ではなく上記に記載した一般猶予での申請を促される場合もあります。
本人が死亡した場合、債務自体が消失するように考えられますが連帯保証人に限っては別です。
『連帯保証人は本人が借りたも当然』扱いされます。ただし、JASSOでは個別対応をしているはずなので、もしもの場合は機構に連絡して相談してみてください。
減額方式4:債務整理
最終手段として法的整理である債務整理は選択肢に入ってきます。債務整理とは大きく4つの方法に分けられます。
- 任意整理
任意整理とは、弁護士や司法書士に依頼して、借り入れをしている金融業者に将来利息や遅延損害金の免除や、毎月払うべき返済額の減額を交渉し、条件付きで和解することです。
しかし、1社につき140万円以上の債務、過払金の交渉は司法書士では法律上できませんので、奨学金を任意整理する場合は注意が必要です。
- 自己破産
自己破産は、裁判所通して奨学金だけでなく全ての借金をの支払いをなくすことです。
弁護士に依頼すれば面倒な手続きは全て請け負ってくれますが、着手金と成功報酬でそれぞれ20〜40万円ほどかかりますので、大変ですが裁判所に通って自分自身で自己破産の手続きを行う方もいます。
- 個人民事再生
個人再生は、裁判所を通して全ての借金の一部を免除してもらい、3年〜5年の期間で分割返済の計画を立て、生活の立て直しを図る制度です。
借金額にもよりますが、80%ほど借金の減額が可能な場合が多いです。
- 特定調停
特定調停は、裁判所で調停委員を介して、各金融業者と交渉し、債務の減額や毎月の弁済額の減額、利息の免除などの条件で和解を締結する手続のことをいいます。
そもそも、金利の安い奨学金は任意整理に適していません。カードローン利用やクレジットカードの返済が困難な人が多く利用する方法ですが、奨学金の場合、債務金額が大きいので、自己破産か個人民事再生になるケースが多いように思います。
日本学生機構はKSCに加盟した
KSCとは銀行系の信用情報センターです。公共性の高いJASSOは信用情報センターに加盟していませんでしたが、平成20年11月に、奨学金も金融商品と同等の位置づけにして、延滞者が多重債務者になることを抑制しようと決定しました。
このことにより、奨学金の返済を60日延滞した場合や、奨学金を債務整理すると金融事故情報が登録されるようになりました。
延滞情報は延滞した事実を事故情報(ブラック情報)として最大5年間登録されるようになり、返済しても延滞情報は5年残ることになります。
奨学金が返済できない!まとめ
奨学金は現代において、初めての借金になることが多いですが、返済のことを考慮せず奨学金を受け続けると返済が苦しくなることを理解しておく必要があります。
例えば、アルバイト代を少し学費に充てたり、一人暮らしも極力避けることで借り入れ金額を少なくすることもできるかもしれません。
大学の学費が高いと言ってしまえばその通りですが、学費の議論をしても問題解決にはならないため、学生や両親が奨学金について話し合う時間や機会を設ける、両親も子供の学費を一部補填するなどの親子協力で乗り切っていく問題であると考えます。
最後の債務整理についてはあくまでも最終手段であり、安易に実行するべきではありません。
冒頭で説明したように親族が連帯保証人になっている場合、一蓮托生で芋づる式に経済的に困窮してしまう可能性もあるからです。
このようなことにならないように返済が始まる前に家族間でお金のことはしっかりと話し合っておいた方が良いでしょう。
もしものときは司法書士に相談を!
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債務整理費用
着手金 | 報酬金 | 減額報酬 | 過払い金報酬 | その他 | |
任意整理 | 21,000円 | 1件20,000円 | 減額の10.5%or31,500円いずれか高い方 | 返還額の19.95% | 分割払いも相談可能。 |
過払い請求 |
5,250円 |
- | 返還額の19.95% | 返還額の19.95% |
裁判系費用
着手金 | 予納金 | その他 | |
自己破産 | 250,000円 | - | 実費は別途請求。 |
個人再生 | 300,000円 | 約30,000円 | 実費は別途請求。 |
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借金問題を抱えておられる多くの方にとって、費用を一括で支払うというのは、負担が大きくなるため難しいことではないでしょうか。しかし、「支払い費用が準備できないから司法書士へ依頼ができない」ということでは、かえって事態を悪化させてしまうことになります。
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【引用:司法書士法人杉山事務所】
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