【PR】当ページは広告が含まれています。【東京ミネルヴァ法律事務所代表:川島氏】
過払い金請求のCMを大々的に打っていた東京ミネルヴァ法律事務所が破産しました。最高裁が『過払い金は返還するもの!』という判決を出してから法曹界では過払い請求バブルが始まり、過払い金専門の法律事務所が雨後のタケノコのように生まれました。
消費者金融相手の過払い金請求案件はボロい商売だったことでしょう。過払い金請求は弁護士が行う貧困ビジネスと言われています。
- 過払い金で人生の再建をできた人が多数!
- 世間一般的に過払い金請求という言葉が一般的になった
- テレビCM、ネットなどで広告を打つ法律事務所が増えた
- 武富士は倒産
- アイフルはADR(裁判外裁判)で事業再生を計った
- 消費者金融の中小企業軒並み倒産。闇金が一時的に暗躍
- 2008年頃から消費者金融の貸し渋りが始まる
東京ミネルヴァ法律事務所は過払い金請求や債務整理に強い法律事務所が、他人のお金を流用して破産したという話です。
そして、東京ミネルヴァ法律事務所破産の背景には元武富士社員の兒嶋(こじま)氏という黒幕の存在があります。この人間が今回の事件の黒幕とも言える人物です。
- なぜ法律事務所は破産した?
- ミネルヴァ法律事務所に依頼した人は過払い金が戻らない?
- 黒幕の兒嶋氏とは?
- 兒嶋氏が武富士を倒産させた張本人なのか?
この事件はデイリー新潮がスッパ抜いたものですが、ミネルヴァ法律事務所の破産だけでなく、数々の要件が連鎖して起こるべくして起きた事件です。
ミネルヴァ法律事務所は債務者の負債をゼロにした実績は認めるべきですが、事務所を運営するという点で大きなミスをしました。ぜひ最後までお付き合いください。
東京ミネルヴァ法律事務所51億円の負債!流用は31億円
2020年6月24日、ミネルヴァ法律事務所は破産手続きを開始の決定がなされました。負債は51億円、資金流用は31億円。弁護士事務所の規模ではないレベルの大きな金額です。ちなみに事件番号は令和2年(フ)第3841号。
東京ミネルヴァ法律事務所は、テレビCMでも過払い金請求をバンバン流していた大手法律事務所です。代表の川島浩弁護士は破産報道される数日前から一部の関係者以外との連絡を一切断ち、雲隠れしていたようです。
良心の呵責に耐えられず苦しんでいたとか、自殺説があったようですが、法律事務所の経営が悪くなったのは、昨日今日起きた問題ではないためトップとして軽率な行動と非難も集まっています。
川島弁護士は司法試験をパスした秀才な人ですが、過払い金を流用して、自転車操業が回らなくなったら雲隠れとは調子が良いと言わざるを得ません。
それよりも、消費者金融から巻き上げたお金は依頼者へ返還するための資金です。資金流用する前に方法はなかったのかな?と考えてしまいます。
ちなみに弁護士事務所の破産は無限連帯責任になるようで、法律事務所が破産しても個人に債務が降りかかるようです。代表はこれから大変なことになるんでしょう。
現行の弁護士事務所のテレビCMや、集客方法に問題があったようです。言い分はわかるものの、被害者側からすればたまったものではないですよね。
黒幕は元武富士社員の兒嶋氏
この事件には黒幕が存在します。元武富士の支店長をしていた兒嶋氏です。どのような経緯で武富士を辞めたかまでは報道されていませんが、武富士の機密文書を持ち出して会社を辞めているという情報になっています。
機密文書とは顧客情報です。顧客情報は新規契約日、借り入れ残高、次回返済日、延滞日数、他社利用件数と金額がわかります。つまり、持ち出した名簿は確実に過払い金が出る債権です。兒嶋氏は武富士の機密情報を弁護士に売る商売を始めたわけです。武富士を退職して、リーガルビジョンという名前の士業専門の広告代理店を開業しました。(正しく言えば前身のDSCという会社が出資法で捕まり、受け皿会社としてリーガルビジョンが設立された)
消費者金融業界関係者なら、借り入れ件数、他社借り入れ金額や新規契約日を見れば、過払い金の有無が数分でわかります。つまり、来月の支払いすらきわどい顧客に連絡して『もう、返済する必要ないんですよ。受任費用は無料なので、弁護士を紹介しましょう』と言えば、飛びついてくることは容易に想像できます。
『しかも、過払い金が500万円手に入る可能性もあります。会社休んででも今すぐ弁護士事務所に来てください』こんな強引なやり方でも来る人は多かったでしょう。相手は明日もどうなるかわからない多重債務者なんですから。
この情報が本当だとすれば、兒嶋氏からすれば、金の卵を手に入れたつもりだったのでしょう。
このリストを持ち出して兒嶋氏は武富士から退職金を受け取って退職します。
この事実は2020年6月に東京ミネルヴァ法律事務所が破産したことで川島弁護士が暴露した内容ですが、これが事実なら、かなりマズい問題です。
- 特別背任罪
- 業務上横領
- 窃盗罪
- 秘密保持成約違反?
- などなど
もしかしたら、兒嶋氏の情報漏洩で武富士は倒産したのかもしれません。そう考えると損害賠償請求の対象です。ただ、武富士はすでに倒産して日本保証という不動産専門の審査会社になっています。
リストの存在は絶大
【出典:闇金ウシジマくん】
上記は、情報商材を販売するセミナー組織の話なんですが、基本は同じです。(講師のモデルは与沢翼さんでしょうね)
不特定多数が閲覧する広告より、一人に向けて連絡するリストの方が効率は良いのです。しかも、弁護士事務所に来ればお金がもらえる可能性が高いという話。断る理由があるでしょうか。
第2のミネルヴァが出てくるのか?
弁護士事務所は慈善事業ではありません。正義の味方でもありませんし、契約者の味方です。
そのためには利益も出さないといけませんし、裁判は勝っていかないといけません。
私の自宅に怪しいチラシが入ってきたことがありました。みたら司法書士事務所が作ったものでした。
過払い金返還専門の法律事務所が仕事にあぶれると、第2、第3のミネルヴァ法律事務所が出て来るかもしれません。
武富士は過払い金請求で倒産している
アコムもプロミスもアイフルも、レイクALSAも未だ過払い金請求に悩まされています。武富士は倒産、アイフルは事業再生ADRを行い、プロミス、アコム、レイクALSAは自己資本での経営が微妙になり、銀行の子会社になりました。
現役消費者金融社員、ひなさんの話では大手会社は累計で1兆円以上過払い金を支払ってきたという話です。よく潰れないなと感心したものです。
実は、現時点でも過払い金請求によって利益が圧迫されている消費者金融なんですが、とある大手消費者金融では『もう、面倒くさいから過払い金対象になる分、全部返金しようか?』という案が取締役会で出たようです。
これが2019年の話ですが、計算したら2兆円もあるということで『そんなん完全に破産するわ!請求が来たものを対応しよう』という話になったようです。
つまり、申告があったものを対応する分には何とかなるけど、一気に請求が来たら潰れてしまうということです。
兒嶋氏が武富士から持ち出したリストを元に多重債務者に連絡を取っていたなら、武富士に過払い金請求が集中しているはずです。武富士が倒産した理由は兒嶋リストという考え方もできるのです。
リーガルビジョン
【出典:デイリー新潮】
上記の画像は情熱大陸に似せて作った社内向けの動画のようです。デイリー新潮の記事には、兒嶋氏が川島弁護士を脅しているとも取れる通知が見つかっています。
兒嶋氏は武富士を退職して、過払い金専門の広告代理店を立ち上げます。当初の売り上げは自身が持っていた武富士リストです。
債務者は借金の苦痛から逃げられますし、弁護士も儲かって、兒嶋氏も儲かる三方良しの関係が出来上がったわけです。
しかし、この問題は2020年にミネルヴァ法律事務所がギブアップして、問題が表面化しました。
歯車が崩れた理由はリーガルビジョンへの報酬が高かったことが原因だと言われています。通常、過払い金請求の弁護士の取り分は過払い金の20%前後が相場です。
これに対してリーガルビジョンには20%以上の成功報酬ではなかったのかと考えられます。(詳細の報酬利率は不明)
概ね、このようなイメージだと考えられます。川島氏もリーガルビジョンに顧客からの報酬以上に支払っているわけですから、自転車操業なことは十分に理解していたはずです。
本来、債務者を救済するべき弁護士が自転車操業をして、全責任を兒嶋氏に押し付けるなど極めて卑劣で、同情の余地はないでしょう。
- 武富士はすでに破産している
- 過払い金権利者に資産の分配は終了している
- 親告罪なら被害者不在という話にも
まとめ
2008年頃から2018年の10年間は過払い金バブル期と呼んでいいでしょう。しかし、バブルには必ず終わりがやってきます。
そもそも、弁護士がカネ儲けに走った時点でこの話は終わりだったのかもしれません。東京ミネルヴァ法律事務所が破産した背景には、新規の過払い金請求事件が入ってこなかったことが原因です。
今、世間が懸念していることは第二のミネルヴァが出てくるのではないか?ということですが、可能性は十二分にあるでしょう。
債務整理を専門に行う法律事務所が債務超過になる事件は今後も起こるかもしれません。
債務者に返還されるべき過払い金を、一時的とはいえ、事務所の運転資金として流用していたことに良心は痛まなかったのでしょうか?
少なくとも破産する前に何度も立ち止まれるチャンスはあったはずです。
このような事件が起きることで、弁護士の信託保全が義務になったり、決算や会計が厳しくなる可能性があります。
どちらにせよ、10年前に消費者金融が整理されて、次の弁護士事務所の番なのかもしれません。今後大きな社会問題になるかもしれません。