生活保護を受けられる条件と支給金額について

生活保護は、人間が健康で文化的な最低限度の生活を送れるための制度です。日本国憲法25条の生存権から生活保護法が施行され、運用は各市区町村の自治体が行っています。

福祉事務所が保護が必要だと判断した場合に生活保護費は給付されます。

生活保護受給の基本条件
  • 収入(手持ち資金)が基準額より少ない
  • 病気や障害などの理由で働けない
  • 不動産や動産などの資産がない
  • 援助可能な扶養義務者がいない
  • 生活保護以外に利用できる給付制度がない

これ以外に借金がある、暴力団関係者(だった)という点で申請が下りないという議論もありますが、生活保護法はこの点には触れていません。

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この点については本文で詳しく説明します。

こちらの記事で過去に生活保護を受けていたAさんの話では、生活保護を受けるときに借金はあったものの無事に受けられたという事例もあります。
【徹底解説】生活保護の教科書!正しい申請なら最短1週間後に受給!

生活保護は人間が最低限の生活を営むための最後のセーフティーネットとしているものの、自治体によって調査のやり方に違いがあるのも事実です。(自治体による給付しぶり)

生活保護を受給している方の話によると・・・。

BさんBさん

市区町村によって生活保護の難易度が違うみたいですし、担当者の当たり外れもあります。

今回は、生活保護を受けるためにはどうしたら良いか?どのような点に注意すれば良いのか?などを説明していきます。

生活保護の受給条件や種類については記事冒頭で説明していて、3⃣では世間が考える生活保護について説明しています。生活保護の申請方法だけ確認したい方は4⃣から読み進めてくださいね。

国からの保護が必要な人が、必要な給付を受けられるように願ってやみません。

生活保護の受給条件は?

生活保護の受給条件は?【出典:健康で文化的な最低限度の生活】

上記は、柏木ハルコさんの『健康で文化的な最低限度の生活』から引用していますが、わかりやすく説明してくれています。

収入の基準額は住んでいる地域によって違いますが、概ね5万円~10万円前後に設定されていること多いです。ここで言う収入は収入+手持ちの現金と解釈しましょう。

世帯例 生活扶助 住宅扶助(東京23区) 合計
30代単身世帯 79,230円 53,700円 132,930円
70代単身世帯 74,630円 53,700円 128,330円

表は単身者の例で単純に給付される生活保護費を計算しています。これ以外にも母子加算、障害者加算、児童養育加算、教育扶助などで給付金額が多くなることがあります。

 

必ず福祉事務所で聞かれるのが『今、手持ちのお金と銀行口座にいくらありますか?』です。この時点で10万円を超える金額を持っている場合、ほとんどの福祉事務所は『まだ生活に余裕がある』と判断するようです。

もし、生活保護が決定して給付に至る場合でも、この時点で持っていた金額を差し引いた分の生活保護費が支給されるようです。

仕事ができる状況で収入がある場合は、給付基準額から収入を差し引いた分が支給されます。シングルマザーで小さい子供の養育が必要な場合は『保護が必要』と認められるケースも多いようですが、一人世帯の場合は審査で落とされることも多いとの話です。(自立できていると判断されるため)

生活保護の種類と内容

マンガで生活保護を説明【出典:健康で文化的な最低限度の生活】

扶助の種類 内容 詳細
生活扶助 日常生活に必要な費用
(食費、被服費、光熱費等)
(1)食費の個人的費用
(2)光熱費等は世帯共通費用を合算して算出。
特定の世帯には加算があります(母子加算当)
住宅扶助 家賃 定められた範囲内で実費を支給。
教育扶助 義務教育を受けるために必要な学費等 定められた基準額を支給。
医療扶助 医療サービスの費用 費用は直接医療機関へ支払い。
(本人負担なし)
介護扶助 介護サービス等の扶助 費用は直接介護事業者へ支払い。
(本人負担なし)
出産扶助 出産費用 定められた範囲内で実費を支給
生業扶助 就労に必要な技術の修得等にかかる費用 定められた範囲内で実費を支給
葬祭扶助 葬祭費用 定められた範囲内で実費を支給

厚生労働省:保護の種類と内容から抜粋

生活保護は8つの扶助から成り立っていますが、毎月給付されるものは生活扶助と住宅扶助の2つで、世帯の状況に合わせて加算されます。それ以外の扶助は必要に応じて給付されます。

住んでいる地域ごとに違いますが、生活扶助と住宅扶助の合計金額は9万円~13万円前後に設定されています。

給付が決定したら、この金額の範囲内で生活をして、病気の治療(医療扶助は別で受けられる)に専念して、社会復帰できるようになったらハローワークに通ったり、就職活動(求職活動)を行いましょう。

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生活保護は申告制度!証明できる書面や状況を説明することが重要!

生活保護は申請主義。状況を説明することが重要

生活保護は申請主義です。生活保護の申請は自分で行うので、はじめの説明で上手に自分の生活環境を説明できないと門前払いになることもあります。

生活の困窮度を証明できる書面があれば持参した方が説得力があります。例えば、銀行口座や診断書、障害者手帳、年金通知書などです。

反対に離職票や雇用保険受給資格証などを持参すると、ハローワークで失業保険の申請をしてくださいと言われます。

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前職を正規の手続きで退職している場合、会社から離職票がもらえます。手続きをすれば失業保険がもらえるので忘れないように手続きをしましょう。

実際に生活保護を受けているAさんとBさんの話では(こちらの記事参照)社会福祉労務士に書類を作成してもらったり、入院している病院に相談したら支援団体を紹介され、福祉事務所に支援団体の方も同伴してくれて、本人の状況を福祉事務所に代弁してくれたようです。

生活が困窮している、今のままでは生活ができない!生命の危機的状況にあるということを説明することが重要です。

もし、自分の環境を上手に説明できないという方は、生活困窮者を支援する団体に相談してみるのも良いかもしれません。

自立生活サポートセンターもやい

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福祉事務所の窓口に行ったら『生活保護を申請しに来た』ことをしっかり伝えましょう。

生活が大変だから相談したい』と曖昧な言い方だと話だけ聞いてそのまま帰されるという可能性もあります。自治体によっては財政を圧迫する生活保護制度を良く思っていない場合もあるようです。

自治体は生活保護を拒否したい?その理由は

生活保護をマンガで説明

生活保護をマンガで説明【出典:健康で文化的な最低限度の生活】

命を守る最後の砦、生活保護と言われても、結果として税金から支払われています。ケースワーカーには上司がいて『必要な保護費なら法律に基づき支払うものの、不正な申請は受け付けない』という態度の上司は多いでしょう。

自治体は1年に1度か、数年に1度の割合で厚生労働省からの監査を受けます。必要な給付を行っているか、不正な申請を受理していないか、正式な手続きを経て給付を開始しているか。などの項目です。

福祉事務所は正義感を持って生活保護の受理や給付を行っていますが、行き過ぎた正義感から判断を見誤ることもあります。

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生活保護なめんなジャンパー問題や、一方的な生活保護打ち切りで生活保護者が自殺したり、生活保護打ち切りの後、食事ができず餓死した人もいました。

生活保護が正しく運用されていないと世論からバッシングされることも背景にあります。

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生活保護を世間はこう見ている

生活保護への考え方

報道の問題もありますが、世論は生活保護にこのようなイメージを持っています。

生活保護者って・・・
  1. 働かないでベンツに乗っている
  2. 昼間からパチンコをしている
  3. 昼間から公園でお酒を飲んでいる
  4. 仕事しないのに国に食わせてもらっていいよね
  5. 町でプラプラしてるの見たよ

    残念ながら、今も生活保護はこのように見られています。そのため、福祉事務所は正しい姿勢で仕事をしようと考えているのです。わかってあげてください。

    統計で見る生活保護の世帯数と割合

    生活保護の世帯数と推移【出典:厚生労働省 生活保護制度の現状について

    表が少し見えにくいですが、平成9年から平成29年度までの生活保護受給の世帯数と割合を示しています。

    青が高齢者世帯、赤が母子世帯、緑が傷病、障害者世帯、オレンジがその他になっています。

    生活保護の原則は働ける人は働く必要があるので、受給者の多くが高齢者世帯か傷病、障害者世帯が占めています。

    平成23年から、その他世帯が増えていますが、当時、企業の派遣切りが問題となり『ネットカフェ難民にも生活保護を受給しろ!』と共産党が詰め寄った結果、審査が通りやすくなったという背景があります。

    生活保護の不正受給問題

    生活保護の不正受給問題

    厚生労働省が平成24年に発表した調査によると生活保護の不正受給は全体の0.5%、決して多い比率とは言えません。

    ただし、厚生労働省の説明する不正受給とは、所得隠しをした。仕事をしたのに申告しなかったという点に絞られています。

    また、不正受給がバレるポイントは近隣住民からの密告が多いようです。『生活保護を受けている○○が車に乗っているのを見た』密告から調査を開始して、不正受給が発覚するようです。

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    このような状況もあるので、生活保護は入口で審査を厳しくしています。

    話がそれてしまいましたが、生活保護の調査方法と対策を考えていきましょう。

    生活保護の申請を受けたら最長30日以内に回答が義務

    生活保護をマンガで説明

    生活保護法では、生活保護の申請を受けたら原則2週間以内(最長30日以内)に生活保護を開始するか否かを本人に通知することが義務づけられています。

    生活保護の調査内容
    1. 銀行口座などから資金確認(銀行へ照会するケースあり)
    2. 課税課から前年の所得確認
    3. 住民票から家族、親族の確認
    4. 車や家の所有確認(ぜいたく品なども)
    5. 扶養照会
    6. その他ヒアリングによる確認

    生活保護の申請に行く人は所得をごまかして申請する人はいないと思うので、大抵の場合、銀行口座にお金が入っていた、昨年の課税金額が多いということは少ないでしょう。

    そのため、初回面談のときに自分の状況を説明できる書面や、適切に説明できることが重要なのです。

    また、申請時にウソをつくことはやめましょう。調査時にウソがバレたら申告不実で受給は否決になりますし、受給が取り消されることもあります

    また、ヒアリング時はケースワーカーが状況を確認するため、根掘り葉掘りあなたの状況を確認してきますが、受給できるか否かという点を確認したいので、答えられる点は真摯に回答しましょう。

    申請時に聞かれそうなこと
    1. 実家には帰れないんですか?
    2. 頼れる親戚はいないんですか?
    3. 元配偶者からの援助は得られないんですか?
    4. 本気で就職活動していますか?
    5. 働ける環境ではないんですか?
    6. 子供を預けて働くことはできないんですか?
    7. 動産や不動産を売却してお金を作ることはできないんですか?
    8. 努力をしていますか?

    まるで尋問のようなので、上記のことを聞かれるだけで気持ちが参ってしまう方もいるようです。心配な方は支援センターなどに同行してもらうのも良いでしょう。

    審査の肝は扶養照会

    マンガで生活保護の審査を説明

    扶養照会とは、家族や親族に『○○さんが生活保護の申請に来ていますが、扶養してあげられませんか?』と電話や書面で確認する調査項目です。

    福祉事務所は、『労多くして功少なし』と考えている扶養照会ですが、本人からすれば、親族に生活保護の申請をするのは黙っていたいので一番やめて欲しい調査です。

    相手は行政機関なので、本籍を確認することもできますし、家族を調べることは容易にできます。初回面談で『家族はいません』とウソをついてもすぐにバレて申告不実になります。

    また、マンガのように『扶養照会されるならいいです』と帰れば、『そこまで困っていないんじゃないの?』と判断されます。

    扶養照会をしても、大抵は扶養できるほど余裕がないことが多いようですが、一種の儀式として生活保護の調査項目になっています。

    扶養照会が免除になるケース
    1. 元夫からDVが原因で逃げてきた
    2. 親からの虐待で逃げてきた

    相当の理由があり、福祉事務所が保護するに値すると判断した場合は扶養照会をしないこともあるようです。

    ただし、客観的に福祉事務所が判断できる要素が必要で、DVを受けていて顔にアザがある、精神的に病気になっていてPTSDと医者が書いた診断書があるなど、証明できるものが必要になるでしょう。

    動産や不動産など売却できるものは絶対に売却が必要?

    家と車の売却は絶対条件か?

    生活保護の給付を受ける前に、動産(車)不動産(自宅)あらゆるものを売却して活用するとあります。原則は売却することが条件です。

    ただし、車がないと生活できない環境の地域で生活している。住宅ローンの完済間近、若しくは売却してもほとんどお金にならない、自宅を売却するより住み続けた方が費用がかからない。

    このような場合は、福祉事務所の判断で売却しなくても良いケースもあるようです。

    考え方によっては、住宅ローンが終了していても、売却すれば集落でもないかぎり数百万円の利益になるでしょうし、売却か維持かは福祉事務所の個別判断になるでしょう。原則は売却です。

    売却しない方が生活を立て直しやすいことを説明できることが重要です。

    これ以外にも、審査時にケースワーカーが自宅に訪問します。自宅に売却できそうなものはないか?どんな生活をしているのか?しっかりチェックしているようです。

    福祉事務所の指示や依頼に従わないといけない

    福祉事務所の指示とは?
    1. ○○の書類を提出してください
    2. ○月○日○時に福祉事務所に来てください
    3. ○月○日○時に伺いますが在宅していますか?
    4. 都合の良い日に病院の検査を受けてください
    5. 精神科病院の診断を受けてください

    自治体によっては、何も言ってこない自治体や、難しい注文をしてくる自治体と運用に差があるようです。また、ケースワーカーは定期的に訪問をしますが、就労不可能な世帯には頻繁に訪問しない傾向があるようです。

    福祉事務所の指示に従わないと、生活保護が認可されなかったり、最悪打ち切りになることもあるようです。

    生活保護は借金があると申請は下りない?

    マンガで生活保護を説明

    マンガで生活保護を説明【出典:健康で文化的な最低限度の生活】

    上記のマンガは個別事例になりますが、借金があると生活保護の申請は通らないという通説があります。

    生活保護の申請をする前にカードローンを利用しているのは普通のことだと思いますし、反対に借金が全くないのに生活保護の申請をすることに違和感を感じます

    生活保護を以前受けていたAさんの話では『福祉事務所が、法テラスへの連絡(自己破産手続き)と生活保護の申請を同時にやってくれた』という証言もあります。

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    多分ですが、生活保護のお金は生活するためのお金で、借金を返済するためのものではないというのは、生活保護を受給してからの話なのではないかと思っています。

    ただし、福祉事務所によっては未だ勘違いしている場所もあるかもしれません。そんな場合は、この記事を見せてあげてください。(生活保護の可否に影響があるかは保証できませんが)

    元暴力団だと生活保護は下りない?

    マンガで生活保護を説明

    元暴力団構成員でも足を洗っている人もいるでしょう。彼らは社会保障の制度を熟知しているケースが多く、元暴力団に生活保護は受給されないということは考えにくいように感じます。

    ただし、国家や企業は反社(反社会的勢力)の排除を誓っていて、暴力団や詐欺集団との経済取引や利益供与は行わず、経済社会から締め出そうとしています。

    警察のデータベースには暴力団リストや詐欺グループのリストがあるようですが、行政でもデータベースをチェックすることは容易ではないようで、誓約書に『私は暴力団員ではありません』という項目を入れています。

    もし、将来的に反社であることが確認できたら、生活保護の停止、過去に受給した金額を返還を求めるという対応をするのだろうと考えられます。

    福祉事務所もお役所ですから、怪しいと思ったら審査を通さない可能性はありますが、あくまで可能性の話です。

    ニートは生活保護は下りない?

    ニートに生活保護は下りません。明確な理由があります。生活保護は世帯を調査して基準額に足りない部分を支給します

    多くのニートは実家で生活をしていると思いますが、世帯主である親の収入で生活しています。親の収入が基準額未満ということは考えにくく、門前払いになるでしょう。

    ただし、ニートが実家を出てアパートを借りたり、ホームレスをしているなら話は別です。まずは情熱を持てることを見つけて自立できるようにしてください。

    【参考文献:健康で文化的な最低限度の生活 小学館

    生活保護を受けるための条件まとめ

    マンガで生活保護を説明

    福祉事務所が簡単に生活保護を許可できない背景には、財政問題と国民感情に配慮している点があげられます。

    とは言え、生活保護は、人間が文化的な最低限度の生活をするための最後のセーフティーネットでもあります。

    ケースワーカーは上司と生活保護者の板挟みで、生活保護者の命とも言えるお金の受け渡しを管理しているので常に難しい舵取りを迫られています。

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    私も生活保護については世論と同じ考え方を持っていましたが、健康で文化的な最低限度の生活を読んだことで考え方を改めるようになりました。良書です。
    気になる方は購入して読んでみてください。

    生活保護は必要な世帯に必要な給付が行われますが、運用は市区町村によって温度差はあるのも事実です。

    本文で説明したとおり、生活保護は申告主義なので困窮度をケースワーカーに説明できることが重要です。

    状況に応じては証明できる書類を用意したり、第三者機関の協力を得ることで最短で給付を受けられる可能性もあるのです。

    また、生活保護で焼け太りすることはできません。最低限度の生活を国が保障している制度なので、生活保護で裕福な生活ができるはずはありません。

    生活費が足りないからと隠れてバイトをしたり、ギャンブルで増やそうと考えるのは浅はかです。多くの受給者がマジメに生活していると思いますが、『働いたら生活保護が減る』という考え方は根本的なズレを感じます。

    一部の方の行動で生活保護全体が悪いイメージになっていることを理解しつつ、収入があったら正規の手続きを取るのが大人の対応です。

    生活保護者が胸を張って『私は生活保護を受けています』と言える日が来るのはまだ先になりそうですが、引け目を感じる必要もありませんし、堂々と申請を出して、堂々と治療や就職活動をしてください。

    生活保護が必要な方に必要な給付を行われるように願ってやみません。